人生には、ときどき大きな分かれ道があります。
転職するか、今の会社に残るか。
新しい仕事を始めるか、今までの仕事を続けるか。
引っ越すか、今の場所に住み続けるか。
やってみるか、やめておくか。
そんなとき、僕たちはつい考えます。
「どっちが正解なんだろう?」
できることなら、間違えたくない。
失敗したくない。
後悔したくない。
だから、できるだけ「正解らしい道」を探そうとします。
でも、人生って本当に、
○か×かで答えられるものなのでしょうか。
僕たちは、ずっと「正解」を探す練習をしてきた
考えてみれば、僕たちは子どものころから、
問題が出る
↓
答えを書く
↓
○か×がつく
↓
○が多いほど点数が高くなる
という世界で長い時間を過ごしてきました。
テストには正解があります。
1+1なら2。
漢字にも正しい書き方がある。
試験なら、正解をたくさん選んだ人ほど高い点数を取れます。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
でも、その感覚に慣れすぎると、大人になってからも人生の分岐点で、
「正解はどっち?」
と考えてしまうことがあります。
そして、
みんなが選んでいる道。
失敗しなさそうな道。
周囲から褒められそうな道。
そういう道に、無意識に**○**をつける。
逆に、
前例がない。
先が見えない。
周囲から「やめた方がいい」と言われる。
そんな道には、歩く前から**×**をつけてしまう。

でも、人生には「答え合わせ」がない
ここで、学校のテストと人生には大きな違いがあります。
テストなら、あとで正解を教えてもらえます。
でも人生では、
選ばなかった道の先に何があったのかを、確かめることができません。
右へ行ったらどうなったのか。
左へ行ったらどうなったのか。
両方の人生をプレイして比較することはできません。
人生というRPGには、
セーブデータをロードして、分岐点まで戻る
という機能がないからです。
だから、本当は誰にも分からないんです。
その選択が○だったのか。
×だったのか。
それなのに僕たちは、
まだ歩いてもいない道に×をつけることがあります。
RPGなら、「???」の先に何がある?
RPGをやっていると、マップに分かれ道が出てくることがあります。
一方には、
推奨ルート
と書いてある。
町の人も、
「魔王城へ行くなら、こっちの道ですよ」
と教えてくれる。
でも、もう一方には、
???
としか書かれていない。
何があるのか分からない。
敵が強いかもしれない。
行き止まりかもしれない。
だったら普通は、推奨ルートへ行きたくなります。
でも――
ゲーム好きなら、ちょっと気になりませんか?
「???の方、何があるんだろう?」

僕にも「みんなが×をつけた道」があった
僕が会社員だったころの話です。
あるとき、
「沖縄に新しいオフィスを立ち上げるんだけど、行かないか?」
という話をもらいました。
僕はほとんど迷いませんでした。
理由は、ものすごく単純です。
「楽しそう。」
だから、
「行きます」
と速攻で答えました。
今振り返ってみても、当時の僕は、
「これが今後のキャリアにどう影響するか」
「出世に有利なのか」
「東京に残った方がいいのか」
なんてことを、そこまで計算していなかったと思います。
面白そうな冒険が目の前に現れた。
だから行ってみる。
それだけでした。
ところが――
その翌日くらいから、周囲でこんなことを言われ始めました。
「あいつ、出世街道から外れたらしいよ。」
(笑)
僕にとっては、
「楽しそうな新しい冒険」
だったものが、
周囲から見ると、
「キャリアの不正解」
に見えたわけです。

「×」の道を歩いたら、知らないマップが開いた
そして僕は、沖縄へ行きました。
新しいオフィスを立ち上げる。
当然、今まで経験したことのないこともたくさん起きます。
新しい人たちと仕事をする。
新しい役割を担う。
自分で考えなければならないことが増える。
つまり、そこには東京に残っていたら得られなかったかもしれない経験値がたくさんありました。
そして結果として僕は、
31歳で部長のタイトルを得ることになりました。
周囲から、
「出世街道から外れた」
と思われていた道を歩いてみたら、
結果的には周囲より早く役職が上がったわけです。
人生って、面白いものです。
でも、ここで僕が言いたいのは、
「だから沖縄へ行くことが正解だった」
ということではありません。
もしそう言ってしまったら、
結局また、
沖縄=○
東京=×
という別の採点をしているだけだからです。
僕が言いたいのは、もっとシンプルなことです。
歩く前から、その道に×をつけることなんてできない。
ということです。

「不正解だった」は、いつ決まるんだろう?
何か新しいことを始めて、うまくいかなかった。
そんなとき、
「やっぱり、あの選択は間違いだった」
と思うことがあります。
でも、本当にそうでしょうか。
そこで知ったこと。
そこで出会った人。
そこで身につけた能力。
そこで経験した失敗。
それが数年後、まったく違う場所で役に立つことがあります。
その瞬間だけを切り取れば、
×
に見える経験でも、
人生という長いRPGで見れば、
EXP +100
だったのかもしれません。
僕自身、会社員を辞めてからも、
「これ、何につながるんだろう?」
と思うようなことをたくさんやってきました。
でも最近は、
すぐに○×をつけなくてもいいんじゃないかと思っています。
なぜなら、
まだ冒険の途中だからです。
正解の道だけ歩いていたら、マップは開かない
もちろん、わざわざ危険な道を選ぶ必要はありません。
人から止められたことを、全部やればいいわけでもありません。
でも、
「みんながそうしているから」
「普通はこうだから」
「失敗したら恥ずかしいから」
という理由だけで、
自分が少し気になっている道に最初から×をつけてしまうのは、もったいない。
RPGの世界なら、
寄り道した先に宝箱があるかもしれない。
知らない村があるかもしれない。
新しい仲間と出会うかもしれない。
秘密のダンジョンがあるかもしれない。
そこで覚えた魔法が、ずっと先の冒険を助けてくれるかもしれない。
人生も、少し似ています。
だから僕は、こんなふうに考えています。
正解の道だけ歩いていたら、マップは開かない。
「正解」ではなく、「ちょっと行ってみたい」で選んでもいい
人生の大きな決断を、全部勢いで決めようという話ではありません。
考えることも大切です。
調べることも大切です。
家族や周囲への影響を考える必要があることだってあります。
それでも最後に、
「どっちが正解?」
だけでは決められないことがあります。
そんなときは、質問を少し変えてみてもいい。
「どっちが、ちょっと楽しそう?」
「どっちを、一度見てみたい?」
「もし○×をつけられないとしたら、どっちへ行ってみたい?」
僕が沖縄へ行ったときに使ったコマンドは、
もしかすると、
▶ たのしむ
だったのかもしれません。
そのときはまだ、そんな名前のコマンドがあるとは知りませんでしたけどね(笑)。
タイガーの酒場で、地図を広げてみませんか?
もし今、
人生の分かれ道に立っている。
何かやってみたいけれど、失敗が怖い。
「正しい選択」を探し続けて動けなくなっている。
そんな状態なら、一度タイガーの酒場へ寄ってみてください。
ハッピーアワーでは、
僕があなたの人生に○や×をつけることはありません。
むしろ一緒に地図を広げながら、
「本当は、どっちへ行ってみたいんだろう?」
と考えてみたい。
まだ開いていないマップに何があるのかは、僕にも分かりません。
でも、それでいいんです。
冒険なんだから。
もし「正解か不正解か」を考えなくていいとしたら、あなたはどちらの道へ行ってみたいですか?
剣を置いて、まずは一杯。
タイガーの酒場で、お待ちしています。
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