「あなたのやりたいことは何ですか?」

「人生の目標は?」

「5年後、どうなっていたいですか?」

こう聞かれて、

すぐに答えられる人もいるでしょう。

でも、

「いや……よくわからない」

という人も、たくさんいると思います。

仕事はしている。

毎日の生活も、それなりに回っている。

ものすごく不幸なわけでもない。

だけど、ときどき思う。

「このままでいいのかな」

何かやってみたい気もする。

でも、

「じゃあ何がやりたいの?」

と聞かれると答えられない。

そして周りを見ると、

夢を語っている人がいる。

新しいことを始めている人がいる。

SNSを開けば、

「人生の目標を決めよう」

「本当にやりたいことを見つけよう」

なんて言葉も流れてくる。

すると、

「自分にはやりたいことがない」

と、なんだか自分だけが取り残されたような気持ちになる。

でも。

本当に人生って、

最初に目的地を決めないと始められないものなのでしょうか。

タイガーの酒場では、少し違う考え方をします。



RPGの最初から、世界地図は全部見えていますか?

RPGを思い出してみてください。

ゲームを始めた瞬間から、

世界のすべてが分かっているでしょうか。

この町には誰がいる。

この洞窟には何がある。

どこに仲間がいる。

どこで新しい武器が手に入る。

最後にどんな場所へたどり着く。

そんなことまで最初から全部分かっていたら、

たぶん冒険はあまり面白くありません。

最初に見えているのは、

自分がいる小さな村と、その周辺くらい。

だから、とりあえず村を出てみる。

少し歩いてみる。

すると、

「あっちに町があるらしい」

という情報を手に入れる。

町へ行ったら、

新しい人に出会う。

その人から、

「北の森に行ってみたら?」

と言われる。

森へ行ったら、

今度は洞窟を見つける。

そうやって、

歩いたところから少しずつ地図が開いていく。

人生も、案外それと同じなんじゃないかと思います。

「やりたいこと」が見つかってから動こうとしていない?

僕たちは、ときどき順番を逆に考えます。

やりたいことを見つける

目標を決める

行動する

これが正しい順番だと思ってしまう。

だから、

「やりたいことがわからない」

となった瞬間に止まってしまう。

でも実際には、

ちょっと気になることをやってみる

何かを感じる

また別のことをやってみる

少しずつ自分の好き嫌いが分かる

その先に、やりたいことが見えてくる

という順番だってあります。

むしろ、こちらの方が自然な人も多いんじゃないでしょうか。



「違った」も立派な経験値

そして、実際にやってみた結果、

「あれ?思っていたほど面白くないな」

となることもあります。

これも大事です。

新しい習い事を始めた。

でも違った。

転職してみた。

思っていた仕事ではなかった。

行ってみたかった場所へ行った。

一度行ったら満足した。

人から勧められたことをやってみた。

自分には合わなかった。

普通なら、

「失敗した」

と思うかもしれません。

でもRPGなら、

その場所へ行ったという経験値は残ります。

そして、

「自分はこれはあまり好きじゃない」

ということも分かった。

これ、ものすごく重要な情報です。

やりたいことが分からないなら、

まず、

「これは違う」

を知っていくのだって立派な冒険です。

選択肢が一つ減ったということは、

自分に合う道へ一歩近づいたとも言えます。

小さな「気になる」を拾ってみる

人生の目的なんて言われると、

ものすごく大きな答えを探したくなります。

でも最初は、

そんなものじゃなくてもいい。

「ちょっと気になる」

で十分です。

あの店、一度入ってみたい。

あの町へ行ってみたい。

あの本、ちょっと読んでみたい。

あの人の話を聞いてみたい。

昔やっていたことを、もう一度やってみたい。

一度だけ体験してみたい。

なんとなく面白そう。

それくらいでいい。

それをタイガーの酒場流に言えば、

小さなクエストを一つ受けてみる。

ということです。

クリアしたからといって、

それを一生続ける必要もありません。

一回やって、

「面白かった」

なら次へ。

「違った」

なら別の道へ。

どちらでも、

EXPは入っています。



目的地は、途中で変わってもいい

そしてもう一つ。

一度決めた目的地を、

ずっと目指し続けなくてもいい。

RPGでも、

「東の町へ行こう」

と思って歩いていたら、

途中で面白そうな洞窟を見つけることがあります。

「ちょっと入ってみようかな」

入ってみたら、

そこで新しい仲間に出会う。

その仲間との出会いによって、

旅の目的そのものが変わる。

そんな物語だってあります。

人生も同じです。

20歳のときにやりたかったことと、

40歳のときにやりたいことが違ってもいい。

昨日まで大事だったものが、

今日はそれほど大事ではなくなってもいい。

逆に、

昔は何とも思わなかったものが、

今になって急に面白くなることもある。

地図は、冒険しながら書き換えていいんです。

目的地が決まったから、冒険するんじゃない

ここまで来ると、

最初の質問に戻ります。

「やりたいことがわからない」

それでもいいんです。

まだ地図が開いていないだけかもしれない。

まだ出会っていない人がいるのかもしれない。

まだ行ったことのない町があるのかもしれない。

まだ経験していないことがあるのかもしれない。

だから、

人生の目的が見つかるまで、

今いる村でじっと待つ必要はありません。

まず、

小さく歩いてみる。

すると地図が少し開く。

そこから、

次に行ってみたい場所が見える。

僕は、

「目的地が決まったから冒険する」のではなく、
「冒険したから、次の目的地が見えてくる」

こともあると思っています。



今日の目的地だけ、決めてみませんか?

もし、

「人生で何がしたいのか分からない」

と思っているなら、

いきなり人生の目的を決めなくていい。

5年後を決めなくてもいい。

10年後なんて、

もっと分からなくていい。

その代わり、

こんな質問ならどうでしょう。

「今日、ちょっとだけやってみたいことは何だろう?」

あるいは、

「今、ちょっとだけ気になっている場所はどこだろう?」

それを一つやってみる。

EXP +1。

そこからまた、

次の景色が見えるかもしれません。

人生というRPGの地図は、

最初から完成しているものではありません。

自分で歩いたところから、少しずつ描かれていく。

だから、

やりたいことが分からなくても大丈夫。

まだ、

冒険の途中です。


まだ目的地が決まっていない勇者へ

「でも、自分はどこから歩き始めればいいんだろう?」

そう思ったら、一度タイガーの酒場へ立ち寄ってみてください。

ハッピーアワーでは、いきなり人生の目標を決めたり、立派な夢を作ったりはしません。

これまでどんな道を歩いてきたのか。

今、どんな場所に立っているのか。

そして、

「これから、どんな旅をしてみたい?」

そんな話から始めます。

まだ答えがなくても大丈夫。

目的地を決めるためではなく、次の一歩を見つけるために酒場へ来てもいい。

酒場の扉は、いつでも開いています。

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