
主人公は、新しい魔法書を開きました。
そこには大きく、
「レミラーマ」
と書かれています。
主人公は笑顔で言いました。
「宝箱を見つける魔法ですね。」
虎のマスターは静かにうなずきます。
「そうだ。」
「でも勇者養成講座の宝箱は、最初からそこにある。」
主人公は首をかしげました。
「じゃあ、どうして今まで見えなかったんですか?」
虎のマスターは優しく微笑みます。
「見つける力ではなく、気づく力を育てる魔法だからだ。」
レミラーマは、出来事の中に宝箱を見つける魔法。
人生には、
思い通りにいかない日があります。
失敗する日。
怒られる日。
落ち込む日。
「今日は最悪だった。」
そう思う日もあります。
でも、
虎のマスターは静かに言いました。
「そんな日ほど、レミラーマを唱えてごらん。」
宝箱は、嫌だった出来事の中に隠れている。

主人公は尋ねました。
「本当に、嫌な出来事にも宝箱があるんですか?」
虎のマスターはうなずきます。
「勇者は、出来事を選ぶことはできない。」
「でも、その出来事の意味は選ぶことができる。」
失敗した。
その宝箱は、
「次はこうすればいい」という学び。
雨が降った。
その宝箱は、
ゆっくり考える時間。
挑戦してうまくいかなかった。
その宝箱は、
昨日まで知らなかった経験。
レミラーマは、
出来事を変える魔法ではありません。
出来事の意味を変える魔法なのです。
宝箱は、あとから開くこともある。
その日に見つからない宝箱もあります。
「あの時は最悪だった。」
そう思っていた出来事が、
一年後には、
人生を変えるきっかけだったと気づくこともあります。
だから勇者は、
どんな出来事にも、
宝箱が隠れているかもしれないと思いながら歩きます。
それだけで、
世界は少しずつ違って見えてきます。
勇者は今日も、レミラーマを唱える。

主人公は魔法書を閉じました。
「今日は失敗ばかりでした。」
虎のマスターは静かに尋ねます。
「レミラーマは唱えたかい?」
主人公は少し考えました。
そして、
今日という一日を思い返します。
「あ……。」
「失敗したから、次はもっと上手にできる。」
「雨が降ったから、ゆっくり考える時間ができた。」
「思い切って挑戦したから、新しい自分に出会えた。」
主人公は笑顔になりました。
「今日も宝箱がありました。」
虎のマスターはうなずきます。
「それがレミラーマだ。」
勇者は今日も、レミラーマという魔法を胸に、どんな出来事の中にも宝箱を見つけながら歩いていきます。