
攻略本を書き終えた主人公は、満足そうな表情で本を閉じました。
「これで準備はできました!」
そう言う主人公に、虎のマスターは微笑みながらもう一冊、小さな冊子を差し出します。
表紙には、こう書かれていました。
『冒険のしおり ~旅立ちの手引き~』
主人公は少し不思議そうな顔をします。
「攻略本があるのに、しおりも必要なんですか?」
虎のマスターは静かにうなずきました。
「攻略本は、どう攻略するかを書く本。」
「しおりは、どんな順番で旅を進めるかを書くものだ。」
「旅は、準備だけでは始まらない。」
「どんな旅にするかを決めてこそ、本当の冒険が始まるんだ。」
冒険には、順番がある。
どんなRPGでも、いきなりラスボスの城へ向かう勇者はいません。
まずは始まりの村を出発し、
次の町へ向かい、
仲間と出会い、
装備を整え、
経験を積みながら少しずつ世界を広げていきます。
人生も同じです。
夢を叶える人は、やみくもに走っているわけではありません。
「今は何をする時期なのか。」
「次は何に挑戦するのか。」
その流れを理解して、一歩ずつ前へ進んでいます。
あなただけの旅立ちの手引きを作る。

主人公は、しおりのページを開きました。
そこには、こんな項目があります。
・最初の目的地
・最初の一歩
・立ち寄る町や村
・仲間と協力する場面
・休息の日
・三か月後にたどり着きたい場所
主人公は、自分だけの旅を思い描きながら、一つひとつ丁寧に書き込んでいきます。
虎のマスターは言います。
「人生は、誰かと競争する旅じゃない。」
「君の旅には、君だけの順番がある。」
旅を楽しむ勇者は、急がない。
遠足の前日、何度もしおりを開いて眺めたことはありませんか。
集合時間を確認したり、
持ち物を見直したり、
「明日はどんな一日になるんだろう。」
そんなワクワクした気持ちで眠りについた記憶がある人も多いでしょう。
冒険も同じです。
ゴールだけを見るのではなく、
旅の途中にある景色や出会いを楽しみながら進んでいく。
そのために、冒険のしおりがあります。
さあ、旅立ちの準備は整いました。

虎のマスターは、主人公に最後の言葉を贈ります。
「攻略本は、君だけの知恵が詰まった宝物。」
「そして、冒険のしおりは、君だけの旅の道案内だ。」
「焦らなくていい。」
「一歩ずつ、自分の旅を楽しもう。」
主人公は静かにうなずきます。
右手には攻略本。
左手には冒険のしおり。
そして、その先には、まだ見ぬ世界へ続く道。
いよいよ、本当の冒険が始まります。